ホテルから1kmほど北に「パリ北駅(パリ・ノール)」がある。
フランス国鉄(SNCF)のターミナル駅で、ユーロスターの発着駅でもある。
ここからベルギーのブリュッセル、そしてこれから我々が向かおうとしている
ロンドンまで国境を越えて列車で行くことができる。
朝、準備をしてフロントに行くと、このホテルのフロントスタッフであり
コンシェルジュでもあるA君が朝食のパンを持って行けと勧めてくれたので、
クロワッサンとフランスパンを2個ずつリュックに詰める。
A君はフレンドリーなアフリカ系の若者で、ある吉本の芸人に似ていたので、
我々の間では密かにアントニーと呼んでいたのだ。
アントニーに前日チェックインの時、朝7時にタクシーに来てもらうよう頼んでおいたので、
ロビーで待っていると時間よりだいぶ早めにタクシー到着。
フランスのタクシードライバーもずいぶん勤勉である。
そのドライバー氏もアフリカ系である。
「こんにちは」、「どういたしまして」とあやしい日本語で挨拶してくるので
こちらも頑張って「こんぐらっちゅれーしょんず ふれんち・ふっとぼーるちーむ」とお愛想を返すと
どうやら「私はアフリカ北部の出です。本田は素晴らしい」的なことを言って、はぐらかしたように見えたので、セネガルの人なんだろうか?とも思ったがセネガルをどう発音していいか分からなかったので聞かなかった。
サッカーネタは他民族国家ではやめた方がいいかも。
そうこうしているうちに10分弱かかったろうか「パリ北駅」到着。
ここを昇って国際列車の搭乗フロアへ
表示にある08:08分発 London St.Pancras行きが我々の乗る列車である。
エスカレータを昇るとこんな感じ。
左の列が英国市民、右が英国外市民。
少し進むと自動改札があるのでプリントアウトしたQRコードを提示して入場する。スマホ画面でももちろんOK。
チケットは予めレイルヨーロッパのサイトで購入していた。
4月28日に購入しているので、早割で多少安くなっているはずである。
運賃:28,000円
予約手数料:1,500円
レイルプロテクションプラン:1,800円
合計二人で:31,300円
加入した覚えはないがレイルプロテクションで1800円取られていた。
これはキャンセルした場合、お金は戻ってこないが同額のクーポンがもらえてヨーロッパの鉄道を利用できるというものらしい。有効期間2年。
日本で申込む際に申込みフォームに、つれの名前を誤植していたので咎められるかと思ったが問題なく入場できた。
入ると、すぐにフランスからの出国手続き(これは通り一遍)続いて英国側の手荷物検査と英国への入国審査。手荷物検査は荷物がリュックひとつということもあり、以外に簡単にパスした。
次の入国審査のインタビューはグループやカップルごとでOK。鋭い視線を浴びせられながら結構いろいろ聞かれた。
よく分からなかったが、帰りのEチケットを見せて「ワンデイ・トリップ、サイトシーイング」と連呼しつつ日本のパスポートを提示したら、晴れて英国に入ることができた。
つまり、数メートルの通路内でフランス出国→イギリス入国ができてしまう。
入国審査を通って進むと法規上既にここは英国ということになる。カフェや売店でパンや飲み物が買える。
国際線のプラットフォームは待合フロアの下の階である。
いよいよ乗車。
座席は日本の新幹線より幾分ゆったりとして快適である。
ドーバー海峡をくぐり抜けておよそ2時間の旅である。
<つづく>